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「クリスタル百科事典」
KURO的ツッコミ
その3

ごめんなさい。またもやツッコミします。追加資料としてお役に立てば幸いです。
個人的には、この本を参考に石を探すなら、ネットや他の本で石の外見を確認した方がいいと思います。

間違いやリンク切れ、その他情報がありましたら、
掲示板ブログのメールフォームWEB拍手のメッセージ欄よりご一報お願いします。

現在ツッコミ進行中です。今後徐々に追加します。

今回のツッコミは
●同じところは同じツッコミ
前2冊の総集編的名本なので、内容が重なるところ、同じツッコミどころの場合は、前2冊のツッコミと同じ文章を載せてあります。

●違っているところもチェック
前2冊から記述が変わったところもチェックしました。
緑の文字は本の記述(引用)、青文字は前2作の記述(引用)、赤文字はKURO的重要ツッコミ

掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
130 アマゾナイト
カリ長石に属するの微斜長石(マイクロクリン)の中で微蝶の鉛によって水色〜緑に色づいているもの)本の写真のような緑だけでなく淡い水色もある。

右の写真はロシア産。濃い色、白い縞模様が特徴。
和名は天河石。この天河はアマゾン川のことだが、アマゾン川流域では採れない。
ブリリアント・ターコイズ・アマゾナイト 鮮やかなターコイズカラーのアマゾナイト……という意味か?
化学組成のところに(銅を含む)とあるが、ブラジル・バイア産で写真のように鮮やかな色のアマゾナイトがあり、それは、本来緑の原因であるはずの鉛がほとんど検出されず、代わりに酸化クロムが検出された。それではないかという気もする。(参考サイト)
131 アホイト
アホーアイト、アホアイト、アホ石、アジョイテ、アジョイトなど、読み方・表記はさまざま。写真で言えば、緑色に見えている鉱物がアホイトである。
アホイト単体はいろいろな産地で産出するが、水晶に内包されたものは、南アフリカのメッシーナ鉱山のみで産出した(現在は閉山、最近新たな産出あり)。大量にというほど産出したのかどうかは疑問。
ここで最大の補足を。
本の写真のような石が「アホイト入り水晶」として売られているが、アホイトではなくクリソコラ入りとのことである。
→参考サイト(海外)
アホーアイトは、結晶のかなり表層に繊維状・放射状の結晶でファントム状に内包される。

化学組成は(K,Na)Cu2+7AlSi9O24(OH)6 ・ 3H2O?
アメリカ産のアホーアイトは水晶に内包されているタイプではない

アホーアイトは、水晶中にファントム状に内包されているのが特徴。
シャッタカイトを伴ったアホイト
Shattuckite、和名はシャタック石
シャッタカイト比較的希な銅の鉱物で色は青。たいていは塊状で産出するが、針状の結晶が放射状に丸くなったものもある。(参考)
石英に内包されるものもある。

本の写真の石は、青というより緑であり、アホアイトとしても緑すぎるので、マラカイトが内包されたものではないか。
(※疑問に思う方は、検索してみてください)

シャッタカイトは、最近は、クォンタム・クアトロ・シリカ、またはエンジェルストーンと呼ばれる、石英に銅鉱物がいろいろ内包された石の成分の一つとして見かける。

クォンタム・クアトロ・シリカには、クリソコラ、シャッタカイト、ダイオプテーズ、マラカイトが内包されていると説明されており、色はそれぞれクリソコラ(水色)、シャッタカイト()、ダイオプテース(青みを帯びた緑)、マラカイト(緑)である。いずれも似ていて見分けにくい色だが、シャッタカイトを探すのであれば、根気よく色を見分けないといけないかもしれない。

クォンタム・クアトロ・シリカにはアホアイトが含まれるという説があるが、海外サイトではアホアイトの説明は見られない。
132 シャッタカイト Shattuckite、和名はシャタック石
シャッタカイト比較的希な銅の鉱物で色は青。たいていは塊状で産出するが、針状の結晶が放射状に丸くなったものもある。(参考)
クリソファール
(ブルーグリーン・オパール)
クリソファール/Chrysophalで検索しても、オパールが出てこない……(2008年7月現在)
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掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
133 アパタイト
アパタイトには、フローアパタイト(フッ素燐灰石)、塩素燐灰石、ハイドロキシアパタイト(水酸燐灰石)がある。化学組成式末尾の(F,CL,OH)は、それを表している。
産出するアパタイトの大部分はフロー・アパタイトなので、アパタイトと言えばCa
5(PO4)3Fと考えてよいと思う。

産地に、ブラジル、マダガスカル、パキスタンを追加


本の写真は青と言うより茶色。
ブルーといえばこれくらい(→)は。産地はブラジル。

青以外にもピンクや黄色、黄緑などいろいろな色がある。
色のバリエーションがあり、六角柱状の結晶なので、原石では、他の鉱物と区別しにくい場合もある。

濃いめブルーのアパタイト。
このほか明るい水色、緑、ピンク、黄緑、黄色などアパタイトには様々な色がある。
アクアマリン
アクアマリンはベリルの一種。くわしくはこちら
化学組成式はベリル属に共通のもの。
確かに鉄イオンによって発色しているが、この場合は化学組成に(鉄を含む)と記すほどのものではない。同じく鉄イオンによって発色しているアメジストに「(鉄を含む)と書かないのと同じ。

産地にナミビア・ネパールを追加。


写真があまりきれいな結晶ではないのでこちら
134 アタカマイト 和名はアカタマ石
銅の二次鉱物。
本の写真では黒く写っているが、ふつうは濃い緑色。
134 ターコイズ

樹脂を染みこませたものや練り、違う石を染めたものなど、加工やイミテーションが多い石。
ただし、完全なナチュラル(いっさいの加工なし)では、もろく変色したりしやすいので注意。 くわしくはこちら


化学組成はCuAl6(PO4)4(OH)85H2O
135 エイラット・ストーン
エイラト・ストーンとも。別名をソロモン・ストーンとも言うらしい。
イスラエルの最南端、エイラットで採れる石らしい。
偽物やまがい物もあるらしい。
本文には、ターコイズ、クリソコラ・マラカイト・アズライトの混じった石とあるが、他の説ではクリソコラとマラカイト、あるいはクリソコラとターコイズとpseudomalachite(疑似孔雀石。マラカイトとは別の鉱物)であるとする所もある。
また、クリソコラとマラカイトの共生石で、ザイール(コンゴ)産との説もあり。エイラート石とも呼ばれていた。

さらに追記:エイラート・ストーンとしてクリソコラとターコイズの共生石という説あり。
 
……たぶん。
ブルーグリーン・オブシディアン パワーストーンショップで見かける透明水色のタンブル等は、人工のガラス。天然オブシディアンとはっきりしているもので透明水色のものは……見たことがない。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
136 カバンサイト
和名はカバンス石(カバンシ石)

原産地はカナダだが、良質のものが見られるのはインド。
成分は同じで結晶のしかたが少し違う同質異像のペンタゴナイト(ペンタゴン石)がある。ペンタゴナイトの方が希少で高価。
ダイオプテース
和名は翠銅鉱
化学組成はCu6(Si6O18)・6H2Oでは?
137 クリソコーラ
和名は珪孔雀石

※化学組成式の元素記号の大きさがちょっと変。フォントサイズが小さくなってます。

※産地はザイールではなくてコンゴ共和国。1997年に国名が改められている。

アズライトトやマラカイトと混ざって産出することも多い
ドルージークリソコーラ
クリソコラの上に細かな水晶が結晶し、グラニュー糖をふりかけたようにきらきらしているもの。

維持全体としてはクリソコラ+水晶というとで組成は「複合」といえなくもないが、名称がクリソコラなので、クリソコラの組成式が表記されることも多い。

このタイプをジェムシリカと称している場合があるが、ちょっと違うような気もする。
138 クリスタラインクリソコーラ(ジェムシリカ)
crystallineとは、「水晶のような、結晶(構造)の、あるいは透明な」というような意味。
クリスタライン・クリソコーラという呼び方はあまり聞かない(この本が一般的になると増えてくるだろうが)
今のところジェム・シリカの方が一般的。

クリソコラは和名を珪孔雀石という。これは「珪酸分が多い孔雀石」という意味。
それに対してジェムシリカは自然に石英(珪酸)がしみこんだもの。つまり「珪化した珪孔雀石」ということ。

クリソコラは不透明だが、ジェム・シリカは透明感がある。透明度の低いものを「クリソコーラ・カルセドニー」、縞模様が見えるものを「クリソコーラ・アゲート」という場合もあるらしい。


化学組成がクリソコラのものになっている。間違いとは思わないが、ドルージー・クリソコーラを「複合」にしているのに、ことらはクリソコラの組成式というのは、ちょっとおかしいと思う。

いちおう「石英にクリソコラがしみこんだもの」だが、「ジェム」とは言い難い。ジェムシリカは、若干透明度があるクリソコーラ・ブルー(あまり色むらなし)の美しい石
スミソナイト 結晶系は六方晶系の表記もある。
硬度は4〜4.5説もある。
「緑青色と青緑色のクリスタル」の項目に入れられているが、色は青系のほかに無色、白、ピンク、黄色など各色ある。
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掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
139 キャシテライト
和名は錫石
写真がカバンサイトのもの。
唯一とも言える錫(スズ)の鉱石。
色は褐色〜黒
写真はこちら(参考)
ブルーグリーン・ジェイド ジェイドとひとくくりにされていても、鉱物としてはジェダイト(硬玉翡翠)とネフライト(軟玉翡翠)の二種類がある。(念のため)

化学組成からすると、ここではジェダイド(硬玉)を指しているうようす。
翡翠というと緑色を思い浮かべるが、純粋な翡翠は白。緑のほか、ラベンダー色もある。
青い(青みを帯びたもの)もあり、コバルト翡翠と呼ばれることもあるが、コバルトが含まれている訳ではなくが関係するらしい。

写真のせいかもしれないが、写真が翡翠には見えない……青い翡翠はこんな感じ。(参考サイト
142 アズライト
和名は藍銅鉱
産地にモロッコを追加。

右(→)の写真の産地もモロッコ。
かつては青い絵の具の原料に用いられた。
クリソコラやマラカイトと一緒に産出することも多い。

モース硬度が3.5〜4と低く、劈開(一定の方向に割れやすい性質)があるので、扱いに注意。
ビーズやアクセサリーに加工するには向かないので、樹脂を含浸させてあることも多い。
143 オーラクォーツ 水晶にさまざまな鉱物を蒸着させたもの。(詳しくはこちら
単に「オーラクォーツ」と呼ぶことは少なく、蒸着させた鉱物(色の違い)によってつけられた「アクアオーラ」「エンジェルオーラ」などの商品名で呼ばれる。
結晶系は三方晶系
化学組成が
(複合)になっているが、たぶん石英の組成式で良いと思う。
硬度は石英の7で良いかどうかは疑問だが「脆性」という言い方はふさわしくないと思う。
アクアオーラ・クォーツ 水晶に18金を蒸着させたものとも言われる

結晶系は三方晶系
化学組成が
(複合)になっているが、たぶん石英の組成式で良いと思う。
硬度は石英の7で良いかどうかは疑問だが「脆性」という言い方はふさわしくないと思う。
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掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
144 レインボーオーラ・クォーツ
○○オーラと呼ばれる蒸着水晶は表面に虹色が見以外でも「レインボー・オーラ」と呼ばれている場合がある。

金とチタンの蒸着とのことだが、チタン蒸着という説明で同じ見かけの蒸着水晶があり、チタニア・オーラ、サンシャイン・クォーツ等、さまざまな呼び名がある。(詳しくはこちら


結晶系は三方晶系
化学組成が
(複合)になっているが、たぶん石英の組成式で良いと思う。
硬度は石英の7で良いかどうかは疑問だが「脆性」という言い方はふさわしくないと思う。
フレイムオーラ・クォーツ サンシャイン・オーラと呼ばれることもある。見た目がレインボー・オーラ特別がつかないこともある。

結晶系は三方晶系
化学組成が
(複合)になっているが、たぶん石英の組成式で良いと思う。
硬度は石英の7で良いかどうかは疑問だが「脆性」という言い方はふさわしくないと思う。
145 シベリアン・ブルー・クォーツ 「コバルトで青く着色した合成水晶」。
練り水晶と違って結晶させているので、ガラスではない。
本の写真のような淡い青だけでなく、もっと濃いコバルトブルーのものもある。

ロシア産の人工水晶は、作るのに手間がかかるので、アクセサリーに用いられることが多い。安価なビーズに見られる透明な青の「ブルー・クォーツ」はガラスである可能性が高い。


結晶系は三方晶系
化学組成が
(複合)になっているが、たぶん石英の組成式で良いと思う。
硬度は石英と同じ7
ブルー・クォーツ(天然)
本のタンブルの写真の石は、クォーツではなくクォーザイト(クォーツァイト)の可能性あり。
厳密には「クォーツ」といえないのでは。

天然で青い透明な水晶はなく、ブルー・クォーツと呼ばれるものは、青い鉱物を内包しているために青く見える水晶のことである。
スペイン・マラガ産のアエリナイト入り水晶や、ブラジルのインディコライト入り水晶がある。

青い鉱物が内包されて青く見える水晶であればブルー・クォーツ。
ただ、デュモルチェライト入りで結晶形をした水晶は見たことがなく、「ブルー・アベンチュリン」と呼ばれるクォーザイトのことかもしれない。
右の写真はスペイン、マラガ産の青水晶。
この青はアエリナイト説とマグネシオ・リーベッカイト説がある。いろいろな青水晶はこちら


産地にスペイン、ブラジルを追加。
……本の写真のうち原石の方がスペイン産に見えるのにどうして産地にスペインが入っていないのか……。

アエリナイト入りといわれるスペイン・マラガ産の青水晶。

ブラジルではインディコライト入り、アフリカからはプランシェアイト入り、部分的な色づきだがパパゴアイト、アホーアイト入り、結晶形にはならないがシャッタカイト入りなどがある。マダガスカル、アメリカにはアジュライト(天藍石)入りが考えられる。
イギリスは……何だろう?
146 ブルー・ファントム・クォーツ
ブルー・ファントムについては難しい。
内包物によって青く見える水晶はあるが、それがファントムを形成することが少なく、ファントムを作る青い鉱物入りの水晶は数が少ないからである。
私が知る限り、青いファントムが形成されるとすれば、クロシドライト(またはトレモライト)が内包されたもの。
あるいは、南アフリカのメッシーナ鉱山で産出するパパゴアイト入り水晶。
やや緑がかるがギラライト入り水晶やアホーアイト入り水晶もファントムを形成する。
実物はまだ見たことがないが、シャッタカイト入り水晶も可能性がある。
いずれにせよ、かなりレアな水晶である。

追記:クローライトで、淡い水色に見えるものがあるが、これがファントム状になっているのはまだ見たことがない。


本の写真は、単なるクローライト(緑)のファントムに見える。

ネットショップで見かける「ブルー・ファントム」は多くがクロシドライト、あるいはトレモライト入りと思われるが、ファントムを形成しているようには見えない。
ファントムと言うからにはファントムに見える石を指して「ブルーファントム」といってもらいたいものである。


結晶系は三方晶系

うっすら青い繊維状のものがファントムに。これならブルー・ファントムといえるか?


パパゴアイト入りで、ファントム。
インディコライト・クォーツ
インディコライト=ブルー・トルマリンなので念のため。(本文を読んでいるとちょっと混乱しそう)
本の写真は淡いシトリンにインディコライトの針状結晶が内包されたタイプ。
透明水晶に細いインディコライトが内包されると右写真のような一見透明感のある青水晶に見える。


結晶系は三方晶系
化学組成は石英と同じ
SiO2で良いと思う。
硬度が
(未確定)になっているが、水晶の中に内包物があるだけなので、もちろん石英と同じ7。

産地にブラジルを追加。本の写真の石はブラジル産のはず。いろいろ産地が出ているがインディコライト入り水晶はブラジルのほかはメキシコ、カザフスタンくらいしか思い浮かばない。

インディコライト入りといっても細い結晶のものから太い針状結晶入り、ぎっしり入って不透明藍色に見えるものまでさまざま。いろいろなインディコライト入り水晶はこちら
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
147 インディコライト
(ブルートルマリン)

化学組成はNa(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
エルバイト(リチア電気石)の一種で青の発色原因は鉄とのこと。

本の写真は(印刷のせいかもしれないが)ちょっと緑がきついと思う。
ブルー・ハーライト 岩塩
本の写真は紫がかっているが、もっと「青」のものもある。
青の発色原因は天然の放射線による結晶構造の微細な乱れなので、紫外線などで退色するおそれがある。
また「塩」なので管理に注意。空気中の湿度を吸収して溶ける(潮解)場合がある。
148 ブルー・カルサイト ブルー・カルサイトは結晶形になることはほとんどないようで、たいていは塊状で産出する。

産地にマダガスカルを追加。
右の写真もマダガスカル産である。
エンジェライト
エンジェライトは鉱物名ではなく、商品名。

本の化学組成はアンハイドライト(硬石膏)のもの。このように、エンジェライトはアンハイドライトの一種とされることがあるが、どちらかというとアンハイドライトとセレスタイトの中間的な石で、セレスタイトにも含まれるストロンチウム(Sr)を含む。

ジプサム(石膏)が自然の加熱によってアンハイドライトに変化したもので、厳密には「硬石膏岩」ということになるらしい。

エンジェライトは、水に弱い石。ブレスレットなどにして汗などにふれるとすぐにつやを失ってざらざらするそうなので注意。
149 セレスタイト
和名は天青石
見た目は涼しげで透明な石だが、実はかなり重い石。

重くて劈開(一定方向に割れやすい性質)があり、おまけに水などに弱いので、実はあまりビーズには向いていないと思う。

マダガスカル産のブルーグレーのものが要知られているが、透明なものや赤もある。
アンデス・ブルーオパール オパールといっても遊色を持たない、コモン・オパールである。
かなり緑っぽいものから青みの強いものまで色合いに幅がある。

単にブルー・オパールと呼ばれることもあるが、ほかの産地にも青いオパールはある。
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掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
150 デュモルティエライト
デュモルチェ石デュモルチェライトとも呼ばれる。
ソーダライトに似た青。ビーズでは薄い青も濃い青もある。
化学組成はFeが入っていないものも見かける。
産地にマダガスカルを追加。
アイオライト
鉱物としての名前はコーディエライト
別名でウォーター・サファイアなどがある。
見る方向で色が異なってみる多色性の石として有名。

アイオライト(多色性も写っています)

中にヘマタイトの小片を含み、サンストーンのようにキラキラするものを「ブラッドショット・アイオライト」という。
151 ブルーアベンチュリン
ヂュモルチェライトが含まれたクォーツアイトではないだろうか。
アベンチュリンは元々雲母やヘマタイトの小片の内包によってきらきらして見える石英またはクォーツアイトのこと。だが、ブルー・アベンチュリンできらきらしたものは見かけないように思うので、ブルー・アベンチュリンという呼び方はちょっとふさわしくないように思われる。
ブルー・アベンチュリン=ブルー・クォーツアイトならば、「珪岩」なので、結晶系も三方晶系とはいえないと思う。
151 ブルーフローライト
本の写真がどれも青く見えない……。
もうちょっときれいな青を載せましょう!

産地にアフガニスタン、フランスを追加。特にフランス産のものは美しく、「フレンチ・ブルー」と呼ばれたりする。
152 カイアナイト
和名は藍晶石
カイヤナイト、カヤナイトとも表記される。

結晶の縦方向と横方向で硬度が大きく違うのでディスシーン(ニ硬石)の名前がある。

硬度が5.5〜7となっているが、縦方向では4〜5,横方向では6〜7である。
化学組成はAl2SiO5では?
色は、青いものが有名だが緑や黒もある。
クリスタラインカイアナイト
カイアナイト(藍晶石)
硬度、化学組成についてはカイアナイト↑と同じ。

青いカイアナイトの中で特に厚みと透明感のあるタイプをクリスタラインと読んでいるようす。

国内ではまず見かけない呼び方である。

たぶん「カイアナイト」「ブルー・カイアナイト」として売られている。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
153 ラリマー(ペクトライト)
鉱物としての名前はペクトライト
ペクトライトの中で銅によって青く発色しているものがラリマーである。
ペクトライトは各地で産出するが青いペクトライトの産地はドミニカ。

本の写真の石は、あまり質は高くない。
きれいなラリマーがどんなものか、他のサイトで探してみては。

緑っぽいラリマー
(ブルーというよりグリーン・ペクトライト?)

一応、ラリマーのタンブル

緑っぽいラリマーもある。印象としては青緑の石……っぽい。
ラズーライト
和名は天藍石。ラジュライトとも表記される

「クリスタル&癒しの石」では、綴りの表記がなかったため、ラピスラズリ・金青石(Lazurite)天藍石の和名を持つ(Lazulite)のどちらかがわからず、混乱した。
どちらも青く、しかも「r」と「L]の違いだけで綴りがそっくりなので、時に専門家さえも間違えるという。
ただし、綴りと色が似ているだけで、成分などは全く異なる別の鉱物なので注意。

本の写真はラジュライトとしては一般的ではない。
154 スキャポライト
和名は柱石スカポライトとも表記する。
「クリスタル&癒しの石」ではスカポライト表記だった。
スキャポライトは、成分によって何種類かに分類されるが、分析しないとくわしい成分がわからない。
色は
無色・白色・黄色・桃色・紫色・褐色・青などさまざま。

近年、アフガニスタン・パキスタンで紫色のものが見つかって注目された。
本文にはブルーのことが書かれているが、写真の石は紫に見える。


化学組成はNa8[(Cl2,SO4,CO3)/(AlSi3O8)6]〜Ca8[(Cl2,SO4,CO3)/(Al2Si2O8)6]表記もある

紫色のスキャポライト。
成分で分類するとマリアナイトという名前がある。
ジラソル
(ブルーオパール)

※オパールではない。
マダガスカル産のミルキー・クォーツの一種。
よって結晶系は三方晶系
化学組成はSiO
2
モース硬度は7
産地はマダガスカル。

本では結晶系から産地に至るまでオパールのものになっているが、
オパールではない。
オパールの性質を有するという説明だが、これは著者がジラソルをオパールだと思っているからであって、実は石英(水晶)である場合、説明はどうなるのだろうか?


ジラソルは、内部にミクロサイズの内包物があり、そこで光の散乱がおこってオパレッセンス(全体をふわっと包み込むような乳白色の光の効果)があらわれている。
ほとんど透明に近いものから不透明に近い半透明まで、透明度はさまざま。

透明に近いものは、透過光によってムーンストーンのような青い光がほんのり見えることがあり、「ブルー・オパール・クォーツ」と呼ばれることがある。
「オパールが混じった水晶」「オパール化した水晶」という言い方も正しくないので注意。

ほとんど不透明なものから半透明なものまである。わずかに黄色がかっていることも。


ほぼ透明なジラソル。光を当てると青い光が浮かぶ。これがブルー・オパールの誤解の由来か?
155 ブルー・アラゴナイト Aragonite、和名は霰石
クリスタルバイブルの69ページに掲載されている。
ブルー・アラゴナイトの色は、銅によるもの。
外観説明にあるように、染められているものもある。

ミネラルショーなどで、青く染められたアラゴナイトがヘミモルファイトとして売られて問題になった。
ビーズもあるが、染めの可能性あり。これもヘミモルファイトと間違われやすい。
ブルーカルセドニー
本の原石の写真はブルーに見えないし、コンシャ・アゲートというべきだと思う。
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掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
156 アバロナイト
(ドルージー・ブルー・カルセドニー)

綴り不明? Avaloniteだと別の石がヒットする。(こちら・海外)
Avaronite,、Abalonite、Abaroniteでもないようす。
ドルージー・ブルー・カルセドニー(Drusy Blue Chalcedony)で検索すると、トルコのブルー・カルセドニー鉱山の石がヒットする。(こちら・海外)
アバロナイトで検索すると、紫がかったブルーカルセドニーだという説明が出てくる。

個人的には、写真の石は「ドルージー」に見えないかも。
カルセドニーは、原石の状態では、写真のようにもこもこした状態になり、その上をドルージー(細かいつぶつぶの水晶の結晶)で覆われていることも珍しくない。また、カルセドニーは岩のすきまに結晶するので、晶洞であることも珍しくない。

産地の記載もないので、アバロナイトがどのような石であるのかちょっとわかりにくいと思う。
ブルーハウライト ブルー・ハウライトという鉱物があるのではなくて、本来白であるハウライトを青く染めたもの。
化学組成が
(処理石)になっているのは、染めであることをシメしているのだろう。
日本でもハウライトをトルコ・ブルーに染めたものが「ハウライト・トルコ」、青く染めたものが「ハウライト・ラピス」などと呼ばれていて混乱の元となっている。

また、最近では本来のハウライトではなく白いマグネサイトがハウライトと呼ばれ、それを青く染めたものがハウライト・トルコ、ハウライト・ラピスと二重に変な名前で呼ばれていることも多い。

化学組成は
Ca2Si3BO9(OH)
157 ブルーレース・アゲート
アゲート類は、染色されたものが多いが、ブルーレースアゲートの色は天然とのこと。
ただし、白くレースを思わせる繊細な縞模様がはいっていてこそブルーレースだと思う。
アゲート類の硬度は通常

産地が
米国、インド、モロッコ、チェコ……となっているが、これはアゲード全般の産地であって、ブルーレースの主要産地はナミビア〜南アフリカ周辺であると思う。
ブルーアゲート
本の写真にあるような濃い青は、ほぼすべて染めであると思う。

アゲート類の硬度は通常

ビーズでは縞模様がない写真のような鮮やかな青に染められたカルセドニーが青瑪瑙の名前で売られていることがある。
158 コーベライト 銅の硫化鉱物で和名は銅藍(どうらん)。
コベリンとも呼ばれる。
モース硬度が
1〜1.5になっているが、検索すると1.5〜2の記述が多い。

本の写真ではわかりにくいが、メタリックな藍色の鉱物。
ブルージェイド しつこくて申し訳ないがジェイド(Jade)といった場合は、鉱物としてはジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)が含まれてしまう。
その割に、本に記載された化学組成はジェダイト(硬玉)のもの。

ジェダイドでもネフライトでもない石が、見た目ちょっと似ていると言うだけでジェイドと呼ばれている場合も多いので注意。

翡翠=緑のイメージがあるが、ジェダイト(硬玉)の純粋なものは白。不純物によって緑やラベンダー色にもなる。
青いものは「コバルト翡翠」と呼ばれていたりする。ただし、コバルトによる発色ではなく、鉄;チタンによる色らしい。(参考サイト
それにしても、本の写真は、全く青くないのだが……。

↑ネフライトの青(青緑)

↑ジェダイドの青
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掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
159 ラピスラズリ
結晶系は等軸晶系、化学組成は(Na,Ca)8(S,SO4,Cl)2(Al6Si6O24)の記述もあり。

本の記述の通り、ロシアやチリからも産出するが、アフガニスタン産のものが圧倒的に多いと思う。
本の、「ラピスラズリの原石」の写真が、どうにもラピスラズリに見えない……。

ラピスラズリは、練り(粉末にして固めたもの)やハウライトなど他の石を染めたフェイクも多いので注意。
160 サファイア
サファイアというと青のイメージがあるが、コランダム(鋼玉)のうち、赤以外のものをサファイアと呼ぶ。(赤はルビー)
そのため、青以外のサファイアも多く、「○○(色名)・サファイア」と呼ばれる。
例外としてオレンジとピンクの中間の色合いをしたものはパパラチャ(パパラチア)と呼ばれる。

インディゴライトサファイア ……「こういう種類のサファイア」あるいはこのような名称があるのではなくて、微妙な色の違いで無理矢理分けているように思える。

特ににロイヤル・ブルー・サファイアの名称は聞いたことがなく、本の写真を見てもどこが「ロイヤル」と呼ぶほどの青なのか全くわからない。
161 ブルーサファイア
ロイヤル・ブルー・サファイア
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掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
162 ソーダライト
結晶系は等軸晶系の記述もある。
色については、青(濃い青)が一般的だが、緑、黄色、赤い、白、無色などもある様子。

ラピスラズリを構成する鉱物の一つでもある。
ブルー・スピネル
かつては、コバルトによる青いスピネルは合成のみだと思われていましたが、最近では天然のものも見つかっています。
本に(合成石の可能性あり)とありますが、その可能性はカット石の場合で、右や本の写真のような母岩付きのものは合成はあり得ません。


右の写真はパキスタン産の天然ブルー・スピネル
163 ダークブルー・スピネル 要するに、濃い青(藍色)のスピネル。
わざわざブルー・スピネルと分けるほどのこともないのでは。
 
ブルー・トパーズ
産地にブラジルを追加(右の写真もブラジル産)

天然のブルー・トパーズは淡い色合いで、宝石として流通している濃い青のトパーズは、無色のトパーズに放射線を照射して青く発色させたもの。
164 ブルーセレナイト 本の写真が単に透明で全く青く見えない……と思って調べていたら、「他の色のセレナイトは細かい筋を伴って不透明なため、この透明感のある黄色のセレナイトをブルーセレナイトと呼ぶ」という記述を発見。
……でもそれって無理矢理すぎないだろうか。
ブルージャスパー ジャスパーで青いと思えるようなものは、あまり見かけない。もともと不透明なので、染められていることも少ないように思うが、本来ジャスパーではない石がジャスパーと呼ばれている場合もあるので注意。

ロシア産ハバロフスク産のイルニマイトはココア色が混じるが、ブルー・ジャスパーと言えるかも?
ブルー・タイガーアイ
別名、ホーク・アイ
青石綿(クロシドライト)に石英がしみこんで固まったもの。中に含まれる鉄分が自然な酸化によって黄色〜茶色になったものがタイガー・アイ。
人工的に加熱して赤くなったもの亜レッド・タイガー・アイ(ブルズ・アイ)。
最近、ホークアイを脱色した後に染色した明るい青のタイガー・アイを見かけることがある。色落ちする場合もあるようなので注意。天然のブルー・タイガー・アイは青と言うより「青黒い」
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掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
165 ブルーオブシディアン
本には写真が掲載されていないので、はっきりしないが、パワーストーンショップで安く売られている右の写真のような「ブルー・オブシディアン」はほぼすべて人工ガラスなので注意。

メキシコで透明な水色〜淡い緑のオブシディアンが出るという話があるが、実物は見たことがない。
エレクトリック・ブルー・オブシディアン エレクトリック・ブルーという名前ではなかったが、不透明〜半透明で鮮やかなセルリアン・ブルーの「オブシディアン」を見たことがある。クリストバライトも入っており「天然」という話だったが、後にこのオブシディアンについても「人工説」を耳にした。
オークションなどで中国産の鮮やかに青い透明黒曜石を見かけるが、これもかなり人工っぽいと思っている。(右写真)
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最後に。の本を利用する場合に、石が見つけやすいよう、
さまざまなサイト様にリンクさせていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。


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