「すごい水晶らしい」 ……私のヒマラヤ水晶に対する一番最初の意識は、こんなものでした。 それは、実際手にすることによって 「うわさどおりすごいかも」 「なんだか、他のと違う」 に変わり、「なんだか気になる」へと発展しました。 かなりたってから、 「ヒマラヤ水晶にはネパールのとインドのがあるらしい」 ということに気がつき、数を見るうちに 「私が好きなのはネパールの方だ」 とわかってきました。 以来、ガネーシュだ、ガウリシャンカールだ……と、それぞれの違いや地名が頭に入ってくるに従い、 ますますネパール産ヒマラヤ水晶の表情の豊かさに惚れ込み、深みにはまっていったのです。 おかげさまでガネーシュ・ヒマールを筆頭に、エベレスト、ガウリシャンカール、カンチェンジュンガ……とネパール内の産地を制覇することができました。(あとはジャガルコット!) そんな我が家に新たなネパール産ヒマラヤ水晶がやってきました。 豊饒の女神 アンナプルナ産です! これまでの産地がどちらかというとネパールの東半分に偏っていたのに対し、アンナプルナの位置はネパールの真ん中からやや西よりにあります。(ネパールの地図はこちら) それにしても、ヒマラヤ水晶は、何と豊かな表情を持つのでしょう。 初めて見たアンナプルナの水晶は、これまで見たネパールの水晶のどれとも違った表情をしていました。 写真で見ていただいておわかりのように、クローライトはまったく含まれていません。 クローライトなしの石は、ガネーシュにもありますし、カンチェンジュンガもそうですが、ややずんぐりぎみながら幅も厚みもある結晶の形は意外に素直で細い結晶が多いカンチェンジュンガにも、ドングリ型のガネーシュにも似ていません。 色もわずかにグレイがかっているような実妙な色合いで、やはり他の二つの産地と違っています。 ……と書くと、なんだかヒマラヤ水晶らしからぬ石に思えるかも知れませんが、アンナプルナの水晶の特徴は、ディティールにあります。 ここで、ちょっとお断りしておかなくてはなりません。 ひとくちにアンナプルナといっても、1峰から3峰、そして南峰と、(※正式には1,2,3はローマ数字です)アンナプルナの名前を持つ山は4つあり、そのエリアはかなりの広さを持ちます。 同じようにガネーシュ・ヒマールの名前を持つ山は6つあり、ガネーシュ・ヒマール産と呼ばれる石にもさまざまなタイプがあります。 ですから、ここでアンナプルナの水晶と言っているのは、あくまでも私が初めて見たアンナプルナ産の水晶についてであって、今後異なった表情を持つ石が出てくる可能性は十分にあることをご了承下さい。 kgサイズ……。 さて、話を今回のアンナプルナに戻します。 今回の水晶は、某石屋さんのヒマラヤ水晶入荷情報で初めてその名前を聞きました。 アンナプルナという山の名前は知っていましたが、どんな石が出るのかは全くの謎。 豊饒の女神という名前を持つ山の石……! ……と期待は高まり、ついに売り出しの日。 お店で対面したアンナプルナの水晶は、予想以上の大きさでした。 重さで言えばkg単位。 それも1キロちょっと、などという大きさではなく、間違いなく「数kg」。 値段もさることながら、とても手が出る大きさではありませんでした。 それでもあきらめきれず、2回目の売り出しに駆けつけて奇跡的に手に入れることができたのが写真の石。手のリサイズのかわいいアンナプルナです。 不思議なことに、片や数kg、片や手のリサイズという差があるというのに、このアンナプルナの水晶たちはどれもが不思議なほど似通っていました。 アンナプルナ水晶の特徴はディテールにある。 その特徴(……と思われるもの)をまとめてみます。 まず、すでに述べたように ●長さはさほどなく、どちらかというとずんぐり ●クローライトなどのインクルージョンはなく、透明。 ●ややグレーっぽさを感じる色合い 大きな水晶の中には、灰色の長石(ムーンストーン)がくっついているものもありました。 |
女神のディテール 左側の画像は、水晶の内部を写したものです。 たいていの水晶の根本は白く霧のように白濁していますが、アンナプルナの水晶は、この白濁具合に特徴があります。 私が買った水晶では小さく薄いのでなかなか写らないのですが、この霧のような白い部分が、まるで風に舞う薄い布のように、消え入りそうに薄い花びらのように、あるいは風に飛ばされる雪煙のように筋状にたなびいています。 これは、今回見たすべてのアンナプルナに共通しています。 もう一つの特徴は、錐面に不思議な模様があること。 右側の画像がそれを写したものです。 店頭では、みんなで「トライゴーニックかなあ……?」などと話をしていたのですが、自分の石をよくよくみた結果、重なるように連打され、溶け合ったようになっているレコードキーパー(レコード)であることがわかりました。 今回、5つほどのアンナプルナの水晶を見ましたが、仮に同じ晶洞から出た水晶だったとしても、これほど大きさが違うのに同じ特徴を持っているのはとても不思議な感じがしました。 全体的なイメージで言うと、偶然かも知れませんが、この石が育まれた山、「豊饒の女神」という言葉がぴったりではないかと思います。 凛とした美しさと、揺るぎない母性を兼ね備えた地母神の石。 んなイメージが重なります。 アンナプルナについての詳細はこちら (2005年8月23日、ブログ掲載) |
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