フレームが表示されていない場合は雑学辞典TOP→左メニュー「番外編」→クリスタル&癒しの石 KURO的ツッコミ

「クリスタル百科事典」
KURO的ツッコミ

クリスタルバイブル「クリスタル&癒しの石」に続く第3弾「クリスタル百科事典」が出ました。
位置づけは全2冊の総集編。クリスタルバイブルよりは説明がシンプル、
ちょっと出し急いだ感があった「クリスタル&癒しの石」のアラの部分はちょっとフォローされている感じです。
この本が出るなら、「クリスタル&癒しの石」は、あえて出す必要もなかったのでは……と思うのは勘ぐりすぎでしょうか。

……と思ったら。この本で登場した「硬度」「化学組成」の項目がかなり怪しいです。
前2作とちがって石を色別で分類してるんですが、鉱物名(宝石名)と色別を冠した名前が重複していたり、
無理矢理色名を付けて項目を増やしているように見えたり、強引さが目立つような……?

ごめんなさい。またもやツッコミします。追加資料としてお役に立てば幸いです
個人的には、この本を参考に石を探すなら、ネットや他の本で石の外見を確認した方がいいと思います。

間違いやリンク切れ、その他情報がありましたら、
掲示板ブログのメールフォームWEB拍手のメッセージ欄よりご一報お願いします。

現在ツッコミ進行中です。今後徐々に追加します。

……クリスタルバイブル、 ……クリスタル&癒しの石に掲載されている石
※項目が立てられている石、項目の中で説明されている石に対して表示しました。。
     写真に名前だけが出ている場合は省きます。    
                 

まずはじめに
(表記で気になるところ、注意したいところ)
本として、気になるところがありすぎです。
●「クリスタル」は結晶している石の意味
この本には石を指す言葉として「クリスタル」が用いられています。
パワーストーンではクリスタルというとたいてい水晶のことですが、クリスタルというのは、本来「結晶」の意味。クリスタル=水晶と思いこんでいると混乱します。(これは気になるというよりも読む側の思いこみ注意)

●ヒーリングと鉱物学がごちゃごちゃ
鉱物学でも用いられる「モース硬度」の説明の次に「高振動の石」というヒーリング上(イメージ上)の説明がごく普通に入っていたりします。化学組成や結晶系という言葉を見て
すべてが学術的で専門的な記述であると勘違いすると危険(かも)。本文も硬度や組成など科学的に見えて実はイメージが入っています。

●鉱物分野の記述が危ない
「化学組成」「高度」「結晶系」など、専門っぽくみえる項目がありますが、実はここが最大のつっこみ多発地帯。
パワーストーンの分野ではあまり利用しない項目かもしれませんが、鉱物の本やサイトで確認すると、間違いや誤解を招く表記がたくさんあります。石の意味やパワーはともかく、
鉱物分野の内容は、鉱物の本でご確認を。
結晶系や硬度、化学組成などの項目があるので、鉱物についてもちゃんと抑えているかと思いきや、
かなり不安です

●石の分け方がかなり強引。まちがいもたくさん
◇同じ種類の石が原石とワンドで別項目に分けられている(説明は同じ)
◇実は同じ石なのに別々に記載。たとえば、ヘッソナイト、オレンジ・グロッシュラー・ガーネット、オレンジヘッソナイトなど実は同じ石なのに別々の名前で3カ所に記載されていたり。(ヘッドナイトはオレンジのグロッシュラー)
◇色分けが不安。たくさんの色合いがある石を対g¥ひょうして一つの色の項目に掲載する場合、必ずしも代表的な色ではない場合がある。また、「白雲母」のように普通は白や透明の石なのに、紹介している写真が赤いと言うだけで赤の項目に入っていたり、黒いガーネットが赤の項目に入っていたり。
どうにも「無理矢理色名を付けて分て、項目を増やした」「自分が持っている石の色で区分した」としか思えません。

●前作と記述が違っているところも
「クリスタル&癒しの石」で「ダウジング」として紹介されていた石のテストの方法が、こちらでは「O(オー)リングテスト」(←こちらが正しい)に変わっていたり、記述に差異があります。


外観説明がなくなっている
前2作にはあった石の外観説明がなくなっています。外観説明で混乱することがあったのも事実ですが、全くないとなると、実際の石を探す場合、名前と本の写真が便りとなります。……が、それが間違っていた場合は……。石を探す場合は他の資料も合わせて活用しましょう。
緑の文字は本の記述(引用)、青緑の文字は他の2冊の引用、赤文字はKURO的重要ツッコミ

掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
12 クリシタルの歴史
クリスタルとファラオの項

「ラピスは神アムン(Amun)であり、神はラピスである」
ツッコミと言うほどでもないけれど、一応メモ。
ここで言う
「神アムン(Amun)」は、アモン(Ammon)の表記の方がよく知られていると思う。
余談ながらアンモナイト(Ammonite)はアモンにちなんで名付けられたらしい。

また、ラピスは実は「石」の意味。ラピスラズリを指すならラピスラズリと書かないとちょっと困ると思う。それともピラミッドのお国柄なので「石は神であり神は石である」なのだろうか?
16 高振動の石 硬度(モース硬度)という鉱物学でも用いられる用語の次に、さらりとイメージ的な「高振動」という用語。
科学もイメージも同一線上で語ってしまうのが良くも悪くもニューエイジだと思うけれど、
読む方がそれなりに区別していないと、いろいろ誤解を生むと思う。
蛍光性
「蛍光性とは紫外線やエネルギーが活性化された環境下で……」……紫外線はわかるけれど、エネルギーが活性化された状態とは? 紫外線だけでなくX線や可視光線のエネルギーによって蛍光が起こるそうだから、「エネルギーが活性化された状態」といえなくもない?
しかし、蛍光を「クリスタルのバイブレーション」と結びつけているのは、完全に科学とイメージがミックスされている。
「高振動の石」のように項目丸ごとイメージ的ならわかるが、完全に混ぜてしまうのはいかがなものか。
18 O(オー)リングテスト 「クリスタル&癒しの石」では、同じ写真の説明がダウジングになっていたが、今回はOリングテストに変更されている。こちらで正解だと思う。
一応ダウジングについても調べてみたが、振り子や棒など器具を使うのがダウジングらしい。
20
21
ピンク色と桃色のクリスタル ピンク色と桃色……違いは?
22 ローズクォーツ
結晶系……三方晶系
水晶(石英)の結晶系を六方晶系としているところもある。調べてみたら、高温型水晶は六方晶系、低温型は三方晶系……らしい。よってローズクォーツが三方晶系というのは正解、ということで。
産地に日本が入っているが、採れることは採れるが、さほどきれいでもないし、たくさん採れるわけでもないと思う。(注:きれいなのもありました……)
それよりも個人的にアフガニスタンを追加したい。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
23 ローズクォーツのワンド 塊状ローズクォーツと結晶形ローズを区別するならわかるが、人為的に成形したものまで独立した項目にすると、収拾がつかないのでは……。
しかも結晶系から効果まですべて同じ。ならば、ローズクォーツの説明でワンドに成形したものには特にこういう効果があると書き添えれば良かったと思う。
スモーキー・ローズクォーツ
「クリスタル&癒しの石」に書かれていた「この珍しいコンビネーション……」という記述はなくなった。
考えてみると、ローズクォーツの結晶形のものは珍しいためか、少々スモーキーがくっついていても「ローズクォーツの結晶」と呼ばれているようで、特に「スモーキー・ローズクォーツ」という言い方は聞かないように思う。

化学組成が
「複合」になっているが、クォーツ(ローズ)とクォーツ(スモーキー)の組み合わせなのでSiO2でよいと思う。
24 ストロベリー・クォーツ



原石


ビーズ

その他いろいろ写真
クリスタル&癒しの石」の時と同じコメントを。
……どんな水晶をストロベリー・クォーツと呼ぶのか、確たる基準はないが、ストロベリー・クォーツと言われて、まず示されるのは、本の写真のような水晶ではなく、ゲーサイトの繊細なインクルージョンによって赤く見える水晶(カザフスタン産、メキシコ産)であろうということは、知っておいていただきたい。

すなわち、本のページの写真のストロベリー・クォーツは、
一般的なものではないと言うことを。(一般的な写真は←左側。カザフスタン産)

ところで、もし、ジュディ・ホール氏が本に載せているようなストロベリー・クォーツっぽくない石しか見たことがなくて、その石に対して意味をつけていたとしたら、本来のストロベリー・クォーツに同じ意味を適用できるのだろうか?

原産地がロシアとなっているが、一般的に知られているのはカザフスタンメキシコ。アフリカ産はクォーツァイトかもしれない。
個人的に加えるならばインドからもかなりストロベリーな水晶が出る。ブラジルやマダガスカルのレピドクロサイト入りがストロベリー・クォーツとして売られているが、個人的にはちょっとストロベリーとは呼びがたい。



結晶系が「六方晶系」になっているが……。
水晶を「六方晶系」としているところも多いのでこれでもいいが、ローズクォーツでは
三方晶系としていた。それなのになぜ?
しらべてみたら、高温型水晶は六方晶系、低温型は三方晶系……らしいので、そのためにローズクォーツを三方晶系にしていたのなら、ストロベリー・クォーツも三方晶系。どちらかに統一しなければおかしいと思う。

化学組成が
「複合」になっているが、本来のストロベリー・クォーツならば、SiO2でよいと思う。
ピンク・クラックル・クォーツ
「クリスタル&癒しの石」では「加熱・着色してできる」と簡単に書かれていたのが、今回は加熱と染料の浸透であるときちんと説明されている。

結晶系が「六方晶系」になっているが、ローズクォーツと同じ「三方晶系」に統一すべきでは?(くわしくはストロベリークォーツの項目参照)

ビーズなどではもっと多彩で派手な色合いがたくさんある。
化学組成が
「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。
硬度が「脆性」になっているが、この硬度は「モース硬度」すなわち「ひっかき傷に対する強さ」なので、ひびが入っているから割れやすくなっている→「脆性」というのはちょっと違う。たぶん、この場合の硬度は「7」のまま。
ただし、ひびが入っている、すなわち「割れかけている」のは確かなので、衝撃や温度変化には注意。
25 ピンク・ファントムクォーツ

ファントムがピンクに見える要因としては、酸化鉄とリチウムが考えられる。
きれいなピンクに見えるものは比較的少ないと思う。
本の写真はリチウムのファントムに見える。
リチウムではもっと色が濃い「あずき色」であることも多い。→写真はこちら


結晶系が「六方晶系」になっているが、ローズクォーツと同じ「三方晶系」に統一すべきでは?(くわしくはストロベリークォーツの項目参照)
ローズオーラ・クォーツ
結晶系が「六方晶系」になっているが、ローズクォーツと同じ「三方晶系」に統一すべきでは?(くわしくはストロベリークォーツの項目参照)

化学組成が
「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
26 ダンブライト
ダンビュライトとも表記される。和名はダンブリ石

すぐ下にピンクダンビュライトがあるが、結晶系〜効果までの表記は同じ。ならば、ひとつにまとめて説明のところでピンク・ダンブライトは……と書き添えるか、項目を分けるのであれば透明・白の石の項目があるのだから色指定のないダンブライトをそちらに表記しても良かったと思う。
ピンクダンブライト 化学組成が「複合」になっているが、ダンブライトと同じCaB2Si2O8で良いと思う。
27 ユーディアライト

和名はユーディアル石。ユーディアライトとは本の写真の赤い部分。
化学組成が「複合」になっているが、Na15Ca17Fe3Zr3Si(Si3O9)2(Si9O27)2(OH)2Cl2
※写真のタンブルは母岩も含まれているので、タンブル全体では「複合」だが、項目がユーディアライトなので、ユーディアライトの組成式でよいはず。

カナダ産とロシア産がよく知られている。カナダ産のものが特に美しい。
ロシアのコラ半島のユーディアライトには、昔、侵略されそうになった際に勇敢に戦って死んだラップランド人の血が石になったもの……という伝説があるそうな。
ピンク・トパーズ

ブラジル産
これはピンクではなくパープルだという説もあり
ダンブライトは透明とピンクが並んで記載されているのに、ピンク・トパーズはピンクだけ……?

さて、ちょっと専門的になってしまうが、トパーズには二種類のタイプがある。ひとつはフッ素を多く含む「Fタイプ」、もう一つは水酸基を多く含む「OHタイプ」である。
それぞれ、屈折率が微妙違い、OHタイプの方が産出量が少なく、結晶も小さい。
インペリアル・トパーズと呼ばれるのはOHタイプに属している。
ピンク・トパーズもOHタイプに属す。
たいていはブラジルのオウロ・プレト産で加熱加工されているものが多い。
パキスタン産では天然のピンク・トパーズが産出する。
トパーズは劈開(決まった方向に割れやすい性質)があるので、衝撃には注意すること。

化学組成が「複合」になっているが、Al2(F,OH)2SiO4
28 ピンク・フローライト
本の写真がどう見てもピンクではない。(紫でしょう、これは!)
産地が、フローライトの産地であって、「ピンク・フローライト」の産地ではないように思われる。
ピンク・フローライトの産地として有名なのはスイス、オーストリア。
淡いものでも良ければパキスタン、モロッコ、紫がかるがメキシコ。中国産も見かけたことがある。(←左の石は、淡いピンクでパキスタン産)

参考写真(海外サイト)

結晶系が立方晶系になっているが、等軸晶系の表記もある。
化学組成が
「複合」になっているが、CaF2
ピンク・カーネリアン カーネリアンは、カルセドニーの中で赤いものにつけられた名前。つまり、ピンク・カーネリアンとは「ピンクの赤いカルセドニー」という名前になってしまうのでだと思う。ふつう、ピンク・カーネリアンという言い方は見かけない。


結晶系が再び「三方晶系」。この場合は「六方晶系」のはず。
……もしかして、石英系の石で塊状のものは「三方晶系」、結晶の形があるものを「六方晶系」にしているのだろうか?
それは間違いだと思う……。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
29 バスタマイト

「バスタマイトはこのタンブルのピンクがかった赤い部分」とあるが、写真ではピンクも赤も見えませんが?

化学組成は
(Mn,Ca)3(SiO3)3など、何種類かの記述がある。
スギライトを伴ったバスタマイト

バスタマイトのところと同じ写真。バスタマイトのピンクもスギライトの紫も見えない。多分、混ざってはいるのだろうが、特徴の現れていない写真である。
スギライトとバスタマイトの混合石のことなので、結晶系・化学組成・硬度は複合で正しい。
30 クンツァイト
「リチウムはじめとする不純物を含む」とあるが、クンツァイトは鉱物としては「リチア輝石」つまりリチウムを含むことが前提の鉱物それを不純物というのはおかしいと思う。
ピンク・ペタライト

化学組成が「複合」になっているが、ペタライトの組成式はLi(AlSi4O10)
わずかに不純物を含み、ピンクになっているとしても、この場合は
ペタライトの組成式を書くのが普通。
 
31 マスコバイト

 和名は雲母

クリスタルバイブルでは
マスコバイトの別名が「雲母」になっていたが、今回は「マイカ(雲母)の中でも最も多く見られる形態です」となっていて、マイカ(雲母)の一種がマスコバイトであるという位置づけが正しくなった。

ただし他の雲母とはたいてい成分によって分けられているので、
「最も多く見られる形態ではないと思う。

本の写真は赤いが、普通は名前の通り白や透明
ピンクの石の項目に入れて良いものだろうか……? ビーズでは「マスコバイト」の名前でえんじ色のものが売られている。(右写真下) 
ピンク・アゲート
化学組成が「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。
……というか、28ページのピンク・カーネリアンがSiO2なのに、なぜ、アゲートになると「複合」なのだろう?
32 ジェム・ロードクロサイト
(ロードクロサイト)

透明感のある結晶形で「ジェムグレード」のロードクロサイトという意味だろう。
あまり用いられない言い方である。

ジェムグレードと言うからには宝石としてカットできるグレードという意味であると思う。(透明感があり、ある程度の大きさの結晶があればジェムグレードと呼ぶ場合もある)
アメリカ・コロラド州のスイートホーム鉱山産のロードクロサイトは、美しいので有名。
最近、中国でも美しいロードクロサイトが産出するようになった。

本の写真は結晶がよく見えないので、これをジェムと呼ぶのは難しいのではないか。
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
33 ピンク・サファイア
化学組成が「複合」になっているが、Al2O3

コランダムは純粋なものは無色透明だが、色を発色させる不純物はごくわずかなので、普通は科学組成式には書かれない。

コランダムの内、赤いものをルビー、それ以外の色をサファイアというので、ピンクのサファイアもある。
オレンジピンクのサファイアには「パパラチャ(パパラチア)」という別名がある。(注:単なるピンクではない。微妙な、美しい色合いである)

真ん中あたりがピンク
ロードナイト

化学組成はMnSiO3とも表記される。
34 パイロフィライト
Pyrophyllite、和名は葉蝋石
和名のとおり、蝋のような手触りの石らしい。モース硬度1〜2と、爪で傷が付くくらい軟らかい石。

色は白、黄、淡青色、帯灰緑色、帯褐緑色。写真は赤みが強いが、酸化鉄の影響によるもの? それをピンク色の石に分類するのはいかがなものか。

「クリスタル&癒しの石」では
「カオリンの結晶形」と言っていたが、今回は「カオリンの一形態」と変わった。しかし、カオリンとパイロフィライトは別物なので、この表記も違うと思う……
コバルトカルサイト
(コバルタイト)


コバルトカルサイト=コバルタイトではないので注意。

コバルタイト(Cobaltite)は、和名を輝コバルト鉱という鉱物で、銀色の金属光沢の結晶か、普通の岩のような感じの石。コバルトカルサイトとは似ても似つかない。似ているのは「菱コバルト鉱(Sphaerocobaltite)」の方。

クリスタル&癒しの石では綴りがなかったので、もしかして訳者が取り違えたかと思ったが、今度は綴り付きなので訳し間違いではない。

どこかでコバルトカルサイトのことをコバルタイトと呼んでいるのかもしれないが、コバルタイトという鉱物が別に存在する以上、同じ名前を使うのは間違いだし、一般的ではない。
コバルト・カルサイトに似ている石には、コバルト・ドロマイト(コバルト苦土石)もある。
35 マンガンカルサイト

綴りをMangano Calciteとしているのに、マンガンカルサイト?
綴り通りマンガノ・カルサイトと読む場合もある。
Manganoan Calciteという綴りもあるようす。

化学組成が
「複合」になっているが、(Ca,Mn)CO3
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
35 モルガナイト
(ピンクベリル)


1911年以前はベリルの変種と見なされ、「ピンク・ベリル」と呼ばれていたが、1911年に別個の宝石として区分され、銀行家で鉱物のコレクターのジョン・モルガン氏にちなんでモルガナイトと名付けられた。
産地にパキスタンを追加

化学組成が
「複合」になっているが、Be3Al2Si6O18(ベリルの組成式)
ピンク色は、マンガンに由来する。
ローズクォーツと見分けにくいが、モルガナイトの方がわずかに重い。
結晶は、アクアマリンと同じ六角柱だが、長く伸びるよりも平べったい結晶の方が多いように思う。
36 チューライト
(ピンク・ゾイサイト)

クリスタルバイブルでは別名が「ピンク・チューライト」になっていた。

チューライトは、マンガンでピンクになったゾイサイトなので
「ピンク・ゾイサイト」が正しい。
ユナカイト
(エピドート)
ウナカイトと表記される場合もある。
緑色部分はエピドート(緑簾石)、赤部分は長石、白色部分は石英らしい。
一言で言えば、エピドートを含む変成岩
厳密には、エピドート(緑簾石)はユナカイトの成分の一つ。
ユナカイトの別名をエピドートとするのは間違いでは?


「岩石」なので化学組成は「複合」で正解だが、結晶系が単斜晶系というのはおかしいと思う。
37 ピンク・ハーライト
岩塩。(←こういう、基本的なところを書かないのはいかがなものか)
塩なので、梅雨時など湿度の高い時期には空気中の湿気を集めて溶けることがある(潮解)。ケースに入れておいた方がよい。
ピンクの色合いはバーカイトによると書かれているが、バクテリア説もある。
バーカイトは硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムの複塩……らしい。
色つきの岩塩は、退色するので日光に晒さない方がよいといわれている。
ピンク・カルセドニー

本の写真は、ピンク色に見えない……。

カルセドニーのピンクは、淡い色合いが多いように思う。


右(→)は、ピンク・カルセドニーのビーズ。ローズクォーツにも見えるが、比べると柔らかな半透明感が若干違う。
カルセドニーなだけに染め説もある。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
38 チェリー・オパール

あまり聞かない名前だが、要するにチェリー・カラーのオパール。

「天然のチェリー・オパール」とされている方は、エチオピア産で「チョコレート・オパール」と呼ばれているものに見える。
左(←)の写真は、エチオピア産のチョコレート・オパール。似てませんか?

この本では、色による区分けが行われているが、色による名前は、いろいろな説があり、個人の主観によって違うので、難しいと思う。
ヒューランダイト

和名は輝沸石。その通り沸石の仲間。
説明に「ゼオライトも参照」とあるのは、ゼオライト=沸石(グループ)だから。
ときどきヘウランダイトの表記もある
ピンク、オレンジ、緑色などがある。

写真の石は、スティルバイト(束沸石)と共生していて、どれがヒューランダイトか見分けにくい。
見分け方については
こちら(あくまでも参考程度)

沸石(ゼオライト)グループは、1997年にIMA(国際鉱学連合)によって整理されている。そのせいか、化学組成は(Ca,Na2,K2)8(Al8Si28O72)・20〜24H2O)の表記を見かける。
39 ピーチ・セレナイト 
ピーチ・アベンチュリン 石におけるアベンチュリンは、石英または石英質のクォーツァイトにヘマタイトやクロム雲母が内包され「キラキラして見える」石のこと。
キラキラしていることを指すアベンチュレッセンスという言葉があるように、「キラキラ」が条件である。
しかし、キラキラしていないグリーン・クォーツァイトが「アベンチュリン」と呼ばれて久しいように、この本ではキラキラしていないものもアベンチュリンと呼んでいるようす。
写真を見るに、これはピーチ・クォーツァイトと呼ぶべきだと思う。

クォーツァイト:風化して細かい砂のようになった石英が熱や圧力を受けて再結晶し、固まったもの。珪岩。
40 ウォーターメロン・トルマリン


ウォーターメロン=スイカ。

その名の通り内部が赤く、周りが緑に色別れしたトルマリンのこと。

化学組成が
珪酸塩複合体になっているが、トルマリンの組成式はXY3Al6(BO3)3SiO18(O,OH,F)4

ウォーターメロンは、トルマリンの中でもエルバイト(リチア電気石)に属すので、
Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
ピンク・トルマリン

化学組成が珪酸塩複合体になっているが、ピンク・トルマリンはトルマリンの中でもエルバイト(リチア電気石)に属すので、Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4

ついでに、写真がピンクに見えません。


ピンク色でもルベライトと呼ばれているときがある。(本当は、赤に近い濃いピンクのものをルべライトという)

パワーストーンで組成式が役立つことはほとんどないかもしれないが、組成式の項目をもうけるならば、「複合」などと書かず、ちゃんと書くべき。(岩石の場合は「複合」でよいと思う)
また、ふつうは色合いなどのバリエーションがある鉱物の場合も発色原因となる鉱物(不純物)はごくわずかであるため、基本となる組成式が用いられる。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
41 ロードライト・ガーネット

化学組成が「マグネシウムとアルミニウムの……(略)……ケイ酸鉄を含む」となっているが、(Mg,Fe)3Al2(SiO4)3 。

ガーネットには成分によっていろいろ種類があり、ロードライトは鉄礬柘榴石(アルマンダイン)と苦礬柘榴石(パイロープ)との固溶体の中で紫色を帯びた葡萄酒色に見えるもののこと。

本の写真は、ロードライトというより、メキシコ産のグロッシュラー(ラズベリー・ガーネット)に見えるのだが、本当にロードライトだろうか?
グロッシュラー・ガーネット

和名は灰礬柘榴石。灰(カルシウム)と礬(アルミニウム)を含むことを示す。
化学組成が
「マグネシウムとアルミニウムの……(略)」となっていて、ロードライト・ガーネットと同じ表記だが、グロッシュラーの組成式はCa3Al2(SiO4)3。(←マグネシウムは出てこない)

グロッシュラーの名前は、最初に発見されたものが「淡緑色」でスグリに似ていたため、スグリの学名の”grossularia”から命名された。
淡い緑色の他、ピンクや緑、蜂蜜色などバリエーション豊か。よってピンクの石の項目に載せるなら「グロッシュラー(ピンク)とした方がよいのでは。
ピンクのグロッシュラーとして一押しはメキシコ産の「ラズベリー・ガーネット」 (←右の写真)
その他のピンク色と桃色の石 みていくと「ピンク色」「桃色」に納得できない石がいろいろと……。
ピンクの石
ダイヤモンド(ふつうは透明のイメージが……ピンクもあるけど)
デュモルティエライト(デュモルチェライト。ふつうは青〜紫では)
タイガーアイ(ピンク!? 染めのことか!?)
桃色の石
アポフィライト(ピンクもある、と言う程度)
ゼオライト(沸石グループ。種類が多すぎてまとめて桃色というのは無理がある)
45 カーネリアン


組成がSiO2(鉄・酸素・水酸基イオンを含む)となっているが、そもそもSiO2といった時点で酸素は含まれている。(カッコ)書きで酸素を書く意味がない。

また、カーネリアンの赤は鉄による色だが、もっとくわしく言うと水酸化鉄だそうで、鉄と水酸基イオンとなっているのはそのせいか。
ジャスパー

組成がSiO2になっている。これはまあ良いしても、隣(44頁)のカーネリアンの組成がSiO2(鉄・酸素・水酸基イオンを含む)となっているのが不自然。
なぜならば、カーネリアン(カルセドニー類)とジャスパーを比べれば、ジャスパーの方が不純物が多い。
なのに、ジャスパーにはその記載がないのは、ちょっと変。

ジャスパー:微細な石英(水晶)の結晶が集まったカルセドニーの中で、不純物をたくさん含むために不透明になったもの。
レッドジャスパーとブレシエイティドジャスパー

化学組成がSiO2(鉄・酸素を含む)となっているが、鉄はともかくSiO2の中にすでに酸素があるのになぜ酸素が抜き書きされているのだろうか?

bracciaとは角礫(かくれき)のこと。礫(れき)とは砂よりも大きな欠片のことで、ブレシエイテッド・ジャスパーは、角礫化したジャスパーという意味で、一度割れたものが割れたすきまに再度ジャスパーやアゲートが結晶し固まったもの。
赤い色合いばかりではないが、赤いものをよく見かける。(左写真)


本文中にある「ウォーリー・ビーズ」とはわずかにくぼみを付けた4〜5センチくらいの楕円形の薄いプレートのことで、このくぼみを親指でこすりながら不安等を解消しようというヒーリング・グッズ。ウォーリー・ストーンとも呼ばれる。
46 キュープライト
本の写真は、えんじ色がかってつぶつぶしている部分がキュープライト。
そのほか、左(←)のような結晶もある。
カットできる石もあり、透けると深い赤を示す。


クリソコラなどと混ざって産出するものもある

参考:いろいろなキュープライト(海外サイト)
レッドジェイド
ジェイド(翡翠)にはジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)がある。レッドジェイドはどちらだろうか?

ジェダイドはヒスイ輝石(輝石の一種)を主要(90%以上)な構成鉱物とする岩石で、化学組成は
NaAlSi2O6、単斜晶系。
ネフライトは透閃石と鉄緑閃石の中間の成分の角閃石を主成分とする岩石で、化学組成は
Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2、単斜晶系。

レッドジェイドの化学組成は
「複合」、結晶系は単斜晶系と書いてあるが、どちらの石を指しているのだろうか。
  ジェイドは一般的に「翡翠」と訳されるが、多くの場合は中国における「玉(ぎょく)」と解釈した方が良いように思われる。
「玉(ぎょく)とは、鉱物としての種類に関係なく、わずかに透明感を帯びた淡い色合いで、しっとりとした艶を持つ石の総称のようなもの。古来より中国人が「美しい」と感じた石のことである。石の性質として、分類するとネフライトやサーペンティン、ジェダイドが多かったとしても、 ネフライト=玉(ぎょく)ではなく、その中で色つやが玉(ぎょく)にふさわしい美しいもののみが玉(ぎょく)と呼ばれる。
成分や結晶系による分け方とは別の、「感覚による分類」であるといえる。

これを頭に置いておかないと、中国で加工されたビーズで「○○ジェイド」の名前で売られたものを中国側が「○○色の玉(ぎょく)」と言う意味で名前を付けたものを、「○○翡翠」と解釈してしまうと、ジェダイドでもネフライトでもないじゃないか、偽物だ!……という具合にすれ違いが起きてしまう。
▲Page Top

掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
ガーネット

本文末に「ガーネットにはいろいろな形態のものがあります」とあるが、ガーネットを分類するのは形態ではなく成分である。すでに出てきたグロッシュラーもそのひとつ。

成分によって種類分けされ、さらにその種類が混じったものがある。すでに出てきたロードライトがその例(パイロープとアルマンディンが混ざったもの)。
また、成分によって分けられた中で、色などによってさらに名前が細分化されているので、とても複雑である。
くわしくはこちら。 あるいはこちら(参考サイト)
ガーネットの化学組成はX3Y2Si3O12。
X
にカルシウムや、マグネシウム、マンガン、鉄が、
Yにアルミニウム、クロム、鉄等が入り、その組み合わせによって詳細な種類に分かれている。
それぞれのガーネットの組成式を見ると、後半の「Si
3O12」の部分が共通していることがわかる。

また和名ではグロッシュラーを灰礬柘榴石というように、ちょっと難しい字の名前が付いているが、はカルシウム、はアルミニウムを現すので、グロッシュラーがカルシウムとアルミニウムを含むガーネットであることが、名前でわかるというわけ。

すでに細分化された種類を紹介しながら、前述したようなガーネットの区分の説明なしに「ガーネット」の項目をもうけるのは不親切では。
また、赤い石だけを紹介しているが、ガーネットには緑などもある。

中には、半透明薄緑で、ガーネットらしからぬ塊状で産出するものも(ハイドロ・グロッシュラー:下写真↓)。この種類はアフリカン・ジェードというフォールス・ネームで呼ばれていたりする。
スペサルティン? ウバロバイト グロッシュラー グロッシュラー
スペサルティン? デマントイド スペサルティン ハイドログロッシュラー
48 アルマンディンガーネット
和名は鉄礬柘榴石。鉄とアルミニウムを含むガーネット。
アルマンダインと呼ばれることもある。
色合いはオレンジ、レッド、パープル、ブラウンなど。紫色のものはロードライト扱いされていることが多いらしい。

「オレンジ色がかった赤色」とあるが、個人的には原石のものは黒っぽい赤が多いような印象がある
化学組成が複合になっているが、Fe3Al2Si3O12
パイロープガーネット 和名は苦礬柘榴石。マグネシウムとアルミニウムを含むガーネット。
純粋なものは無色だが、パイロープ(ギリシャ語で「炎のような」という意味)の名前の通り、赤色〜赤褐色のものが多い。発色原因はマグネシウムの一部が鉄と入れ代わっているだめ。
化学組成が
複合になっているが、Mg3Al2Si3O12
49 レッドガーネット アルマンディンやグロッシュラーのような(成分による)区分に、レッドガーネットという名前はない。文字通り「色が赤いガーネット(成分問わず)」ということ。
色によって区分して説明するなら、グロッシュラー(ピンク)のように色がさまざまなものについては色を指定するべきだと思うし、ピンクの項目にピンク・ガーネットなりラスべりー・ガーネットという、色で呼ばれる種類を紹介しても良いはず。

また、少し前に「ガーネット」という大きな区分が登場している。赤色とオレンジの石の項目にガーネット(実際はいろいろな色あり)が登場しているのは、「ガーネットといえば赤」という、一般的なイメージによるものと思われる。それなのにまたレッドガーネットという形でとりあげる意図は不明。


化学組成が
「マグネシウムとアルミニウムの……(略)」となっているが、ここではガーネットの一般的な組成式で良いと思う。(ガーネットを参照)。
ただし、
(クロムおよび…(略)…を含む)とあるがクロムを含むと緑色になってしまうのではないかと思う……。
ヘッソナイトガーネット
本にあるとおりグロッシュラーの一種でオレンジ〜シナモン色〜赤っぽいオレンジ色のもの。
「グロッシュラーガーネットの1種で、カルシウム含有量が多いことからガーネットの中でもっとも明るい色をしています」とあるが、グロッシュラーがガーネットの中でカルシウムを多く含む種類(色はさまざまある)。
改めて調べてみたら、ヘッソナイトの色合いはマンガンあるいはマンガンと鉄によるものだとのこと。
「もっとも明るい色」についても微妙で、ヘッソナイトでも暗い色合いのものがあり、他の種類のガーネットでも明るい色はある。

化学組成が
複合になっているが、Ca3Al2(SiO43(←グロッシュラーの組成式) 41頁のグロッシュラーのところでは、 化学組成が「マグネシウムとアルミニウムの……(略)」なっているのに、なぜヘッソナイトは複合なのか。ヘッソナイトもグロッシュラーなのに。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
50 メラナイトガーネット 「赤色とオレンジ色のクリスタル」の項目に、なぜこの石が入っているかがわからない。なぜなら、メラナイトはカルシウムと鉄を含むアンドラダイト(灰鉄柘榴石)の一種で、鉄の一部がチタンに置き換わっている(または、不純物としてチタンを含む)ため不透明黒になったものだから。
化学組成が複合になっているが、
Ca3Fe2(SiO4)3
シナバー シンナバーとも表記される。和名は辰砂(しんしゃ)
ちょっと余談ながら
「石器時代の洞窟壁画の顔料」について。日本の場合は、ベンガラ(酸化鉄)の場合もあります。
本の写真のようなものもありますが、結晶形になっていなくて「赤い岩」っぽいものもあります。
KUROが考察したシンナバーのあれこれはこちら
51 レッドカルセドニー

「赤瑪瑙」
カルセドニーの中で、赤く発色しているのがカーネリアンのはずなので、レッド・カルセドニーとの違いがわからない。
写真を見る限り、赤いが、カーネリアンと言うほど透明感のないものを指しているのだろうか? もしそうなら、きちんと説明して欲しい。
写真の石は、モロッコ産だと思う。

化学組成が
「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。

ちなみに、ビーズで見た目カーネリアンなのに、「赤瑪瑙(レッド・アゲート)」と言う場合は、「染め」らしい。
染めて赤いものをカーネリアンとして取引できないため、「赤瑪瑙」と区別するのだとか。

←左の写真は「染め」だという赤瑪瑙。
レッドサードオニキス

念のために整理を。
サードとは、リモナイトによって赤っぽい茶色に発色しているカルセドニーのこと(赤はカーネリアン)。
オニキスは、本来(直線的な)縞模様の瑪瑙のことで、サードにオニキスの要素(縞模様)が加わるとサードオニキス(サードオニックス)になる。
よって和名は赤縞瑪瑙(赤と言っても茶色っぽいけれど)。
つまり、
レッドサードオニキスという言い方は「赤・赤縞瑪瑙」という変なことに

本の写真は、縞模様が全く確認できないので「サードオニキス」とは言えないのでは。ビーズでは、縞模様ではなく黒単色のカルセドニーを「オニキス」と呼び、その用法で、はっきりとした色の単色カルセドニーを「○○カルセドニー」と呼んでいることがある。これもその一種だろうか。 あまり正しい用法とは思えない。

化学組成が
「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。
52 レピドクロサイト 和名は鱗鉄鉱同質異像(成分は同じで結晶の仕方が違う)のゲーサイト(針鉄鉱)とは、見分けが付けにくい。
写真は、レピドクロサイト単体ではなく、水晶か何か別の鉱物に内包されたもの
レピドクロサイトは単体では、黒か赤黒い色の鉱物なので、「赤・オレンジ」の項目に入れるのをためらう。

組成式は、普通FeO(OH)で、ゲーサイトと同じなので、区別する場合にはγ-をつけるようす。
アメジストをはじめとするクォーツに内包されたレピドクロサイト
「水晶に内包されたレピドクロサイト」なので、結晶系や硬度、組成が「複合」になる。
本の写真のような石は「ファイア・クォーツ」と呼ばれることがある。

最近は、これも「ストロベリー・クォーツ」と呼ばれているが、見た目が「いちご」のようにかわいらしい感じではないし、色合いがピンクっぽい赤と言うよりは茶色がかるので、ストロベリーの名前は厳しいと思う。

▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
53 ブッシュマン・レッド・カスケード・クォーツ ブッシュマン〜という言い方は、かなりマイナーだと思う。
いろいろな要素が入り交じっているので、まず内容整理。
ブッシュマンはアフリカ南部のカラハリ砂漠に住むサン人のこと。(参考) 「ブッシュマン」には侮蔑的なニュアンスがあるとする人もいる。
レッドは酸化鉄による色。
リモナイトとあるが、赤みが強い場合はヘマタイトと説明されることもあると思う。
カスケードは「滝のような」「階段状に流れ落ちる水のような」という意味。小さなポイントが集まって全体的に大きな結晶を作り上げているような形のこと。キャンドル・クォーツの柱面の小さな結晶が、てっぺんまで覆い尽くした感じ。

同じような水晶を「Red Bushman's Quartz」や「Bushman Quartz」と呼んでいる例あり。
別サイトで調べたところ、南アフリカのオレンジリバー流域で産出し、ブッシュマン(サン人)によって手で採集されることから、ブッシュマン・クォーツと呼ぶと説明しているところがあった。


化学組成が「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。
ビクスバイト
(レッドベリル)

ベリルの一種でマンガンによって赤紫に発色しているもの。
左の写真でわかるように「レッド」と名前は付いていても、色合いはオレンジではなくピンクがかっている

正式な鉱物名はビクスバイト(Bixbite)だが、綴りが似た石にビクスビアイト(Bixbyite)があるので大変紛らわしく、レッド・ベリルが用いられている。
BixbiteとBixbyiteの写真はこちら

レッド・エメラルドという誤称もある。
カットされた石では合成のものもあるらしい。

化学組成が「複合」になっているが、Be3Al2Si6O18
54 ハーレクインクォーツ


※余談ながらハーレクイン・ロマンスは、出版社のマークが「道化師(ハーレクイン)」だったことにちなむとか。
ハーレクインクォーツに「ロマンス」は関係ありません。

「クリスタルバイブル」では
「赤い斑点が筋状になったものを内部に含みます」だったが、本作では「ヘマタイトの結晶が内包されている」(写真の説明)に変わった。だが、これはヘマタイトではなくて、ゲーサイト(針鉄鉱)またはレピドクロサイト(鱗鉄鉱)。

説明がないので補足すると、「ハーレクイン」とは、「道化師」、その服装の模様(大きなダイヤモンド◆柄)から「斑(まだら)」という意味。
よって、本の写真左のように、水晶の中にレピドクロサイトがパラパラと斑に内包されているものがハーレクイン・クォーツ。
写真右には
「ヘマタイトを高密度に内包したハーレクインクォーツ」と説明があるが、この写真を見る限り鉄分で赤くなった角閃石を含む水晶。斑模様ではないので、普通はこれをハーレクインとは呼ばない。強いて言うなら赤水晶。
写真はこちら


「複合」ではなく、この場合は
結晶系は「三方晶系」
化学組成はSiO
2
硬度は
ルビーオーラ・クォーツ 「クォーツとプラチナで作られたもの」とあるが、くわしくは水晶にプラチナを蒸着させたものこちらもどうぞ
ネットで調べたところでは、プラチナではなくて金(何かは不明)を蒸着させたという情報が出てくるので、参考までに。


化学組成が「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。
硬度は脆性ではなく「7」
55 レッド・ファントムクォーツ
「クリスタル&癒しの石」では「レッド・ファントム・クォーツはライモナイトやヘマタイト、ヘマタイト入り水晶、また時にはカオリナイトのインクルージョンです」という説明だったが、今回は「リモナイトにヘマタイトとカオリナイトの両補またはいづれ(ママ)かが内包された」に変わっている。
一般的な読み方でなかったライモナイトがリモナイトになり、ファントムの内包物としては決定的に変だった「ヘマタイト入り水晶 (水晶の中に水晶!?)」がなくなった。
写真もレピドクロサイトのところに用いられていたのと同じ写真から、ファントムに見える(オレンジだけど)ものに変更された。

ただし、また「カオリナイト」についてはおかしいと思う。
カオリナイトは磁器の原料にもなる粘土鉱物で色は「白」。赤いファントムの原因として白い鉱物とは?


化学組成が「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。
結晶系が「六方晶系」になっているが、ローズクォーツと同じ「三方晶系」に統一すべきでは?(くわしくはストロベリークォーツの項目参照)
ルビー

この色合いだと、ピンク・サファイアなるかも……?
コランダム(鋼玉)のうち、赤いものをルビーといい、それ以外のものをサファイアと呼ぶ。
最高の色合いを「ピジョン・ブラッド(ハトの血)」という。
色味を鮮やかにするため、宝飾の分野ではかなりの割合で加熱処理が行われているらしい。(本の写真右のような不透明な原石やビーズについては加熱処理の有無は不明)
結晶系が
三方晶系になっているが、六方晶系としているところもある。

「かつてはカボションカット(カーバンクル)と呼ばれる形状に加工されており、(略)ルビーはしばしばこの名称で呼ばれていました」
とのことだが、カーバンクルは赤いガーネットのことだとする説もある
カーバンクル(carbuncle)はラテン語で「燃える石炭」を意味するそうなので、ガーネットに限らず赤い宝石を指すのかもしれない。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
56 ジンカイト
原産地のところに「……ポーランド(クリスタラインジンカイトは熱処理されたもの、または人工的に作られたもの)」とあるが、ポーランドのジンカイトは、亜鉛の精錬の際に副産物としてできるものらしい。
クリスタラインジンカイトという呼び方はあまり見かけないように思う。たぶん透明度のある結晶であることをこのように表現しているのだろう。

オレンジ・赤の石の項目に分類されているが、左の写真のようなオレンジだけでなく、緑などもある
マンガンを含むと橙〜赤色に、鉄分を含むと淡緑色になるらしい。
ゾイサイト
和名は黝簾石(ゆうれんせき)。ゾイサイトの中には青いタンザナイト、不透明赤ピンクのチューライト、赤いルビーを内包する、緑のアニョライト(ルビーを含んだ状態でルビー・イン・ゾイサイト)があるが、黝は「黒ずむ」と読むように、特別に名前が付いていないゾイサイトは、黒っぽいような灰色がかったような、とても地味な色合いの石
これをオレンジ〜赤の区分に入れるのは、かなり抵抗がある……。
57 レッド(ブラッド)・アゲート 名前を伏せて本の写真を見せたら、誰もが「カーネリアン」と答えるのではないか。
「blood agate」で検索するとカーネリアンの別名であるという説と、「Pigeon Blood Agate(ピジョン・ブラッドアゲート)」が出てきた。
つまりこれは、カーネリアンであり、狭い意味では特に「血のように赤い」ものを指すのだと思う。
化学組成が「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。
硬度が6になっているが、普通は7とされていることが多い。
レッドブラウン・アゲート 赤茶色のジャスパー。こんな名前を付けるのならば、普通「レッド・ジャスパー」と呼ばれているのも、色としては赤茶色だが……。
この色名+石名の分け方はちょっと強引な気がする。

化学組成が「複合」になっているが、SiO2でよいと思う。
硬度が6になっているが、普通は7とされていることが多い。
ルベライト
(レッドトルマリン)

化学組成がケイ酸塩複合体になっているが、ルベライトは、トルマリンの中でもエルバイト(リチア電気石)に属すので、Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4

結晶系は六方晶系。

赤いトルマリンと言うことだが、実際には濃いピンクのものもルベライトと呼ばれていることが多い。
58 レッド・カルサイト レッド・カルサイトは普通、ヘマタイトによって赤くなっており、ヘマトイドというのはヘマタイトを内包するという意味だと思うのだが、レッド・カルサイトとヘマトイド・カルサイトの違いは?
結晶形のあるなしで区別しているのだろうか? 形によって区別している用法は聞いたことがないし、同じ石のことだというのならば項目をわざわざ分けるのも変だと思う。


なので、ヘマトイド・カルサイトの化学組成もCaCO3
ヘマトイド・カルサイト
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
59 レッド・アベンチュリン
ピーチ・アベンチュリン(39ページ)の所でも書いたが、石におけるアベンチュリンは、石英または石英質のクォーツァイトにヘマタイトやクロム雲母が内包され「キラキラして見える」石のこと。
キラキラしていないのならば「レッド・クォーツァイト」と呼ぶ方が正しいと思う。
←左の写真の石は「レッド・アベンチュリンの名前で売られていたが、まったくキラキラしていないので、レッドまたはオレンジクォーツァイトといった方がふさわしいと思う。

レッド・アベンチュリンは染めだとしているところもある
レッドブラック・オブシディアン
レッド・ブラック……赤黒いオブシディアン?

ぱっと見には、やや色の鈍い黒いオブシディアンと思ってしまいそう。
それよりも、個人的には北海道の紅十勝(→)をレッド・ブラック・オブシディアンと呼びたい。
レッド・サーペンティン サーペンティンと言えば普通緑系だが、赤もあるのだろうか?
サーペンティンはグループ名で、いろいろな表情の石を含むため、別の石と混同されていることもあるので注意。
60 レッド・スピネル 結晶系は等軸晶系とされていることの方が多い。
カットされたものは、その色合いからルビーと間違われることもある。イギリス王室の王冠に使われている「黒太子のルビー」は、ルビーと呼ばれていたが調べてみたらスピネルだったという話は有名。
原石では、和名の尖晶石の示すように尖った八面体の形をとることが多い。


左の写真はレッドというほど赤くないが、スピネルらしい結晶の形をしている。
レッド・タイガーアイ
普通に見られるタイガーアイ(金色〜茶色)を人工的に加熱したもの。

オーストラリア産のマラマンバ・タイガーアイは部分的に天然で赤いものがあるが、普通に見かけるレッド・タイガーアイは加熱処理である。

硬度が4〜7となっているが、6.5〜7とされていることが多い。
化学組成も
SiO2の説明を多く見かける。

ブルズ・アイ(雄牛の目)の別名もある。

天然で赤い(部分的に)マラマンバ・タイガーアイ
レッド・ジルコン
カットされたジルコンには各色あり、もちろん赤もあるが、鉱物標本として見かける原石では赤〜褐色のものが多いようす。

産地にパキスタンを追加。右の写真もパキスタン産。
61 クリーダイト クリード石
本の写真のようなオレンジの他、淡い淡い藤色のものもある。
サンストーン
長石にヘマタイトや銅の小さい薄片が内包され、キラキラと輝いて見える石。
写真の様なオレンジのもののほか、もっと黄色っぽいものもある。
本の写真は、サンストーンの特徴であるキラキラが写っていない。


それより何より、長石であることを書いた方が良いのではないか。
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
62 オレゴン・オパール
オレゴン産のオパール。オレンジがかったもの以外にも、白や透明度の高いもの、青みがかったものなどいろいろあるので念のため。

→赤くないオレゴン・オパール
セレストバライト 和名は不明。検索に国内サイトはヒットせず。調査中!
海外サイトで結晶を見かけたがほぼ無色だった。少なくともセレストバライトが全てオレンジ色をしているわけではないようす。
ストロンチア重晶石(Strontian Barite)という名前で同じ石を発見。
詳細不明
63 ドルージー・クォーツ
本の写真は、ヘマタイトによってオレンジ色に色づいた写真だが、ドルージークォーツは集晶の意味。普通は米粒くらいの小さな結晶が集まって母岩や他の結晶を覆っているようすを指す。
つまりドルージー・クォーツ=オレンジ色ではないので注意。

ここはドルージー・クォーツ(オレンジ)と色指定で記載すべきだと思う。
結晶系が「六方晶系」になっているが、ローズクォーツと同じ「三方晶系」に統一すべきでは?(くわしくはストロベリークォーツの項目参照)
ファイアー・アゲート
ファイアー・アゲートは、カルセドニーの表面を薄く覆ったリモナイトの層が内包され、光の干渉によって虹色の輝きを示すもの。

産地はメキシコ。他の産地でファイアー・アゲートが出るとは聞いたことがないが……。

本の写真はファイアー・アゲートの特徴であるイリデッセンスが全く写っていない。
昨今ビーズで赤みを帯びたアゲートに白いひび割れ模様のものがファイアー・アゲートの名前で売られているがこれは本来のファイアー・アゲートではない。
64 ファイアー・オパール メキシコで良く見られるオパールで、透明度が高く、赤から橙、金色の鮮やかな地色ものを指す。遊色効果がないものが多いが、まれに遊色効果を示すものもある。
……ということで産地はメキシコだと思う。ここに載せられている産地は「オパール」の産地ではないか?
本の写真は白っぽく、ファイアー・オパールの説明としてはふさわしくない感じ。
オレンジ・グロッシュラー・ガーネット グロッシュラー・ガーネットは、41ページですでに取り上げられている。グロッシュラーはいろいろな色があり、色によって区分けしている本では色名を付けて区分けする方が適しているかもしれないが、かなり強引に項目を増やしているようにも見える。
オレンジ色のグロッシュラーはヘッソナイトと呼ばれるのに、ヘッソナイトの項目もすでにあり、さらに次の項目は「オレンジ・ヘッソナイト」である。
同じ石を何回のせていることになるのか。

グロッシュラーの組成式はCa3Al2(SiO4)3
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
65 オレンジ・ヘッソナイト・ガーネット
ヘッソナイトは49ページですでに取り上げられている。また、ヘッドナイトはグロッシュラー中でオレンジ〜褐色のものを指す。
つまり、ヘッソナイトといえばオレンジなので、ことさらに「オレンジ」と付けるのは変。
一つ前の項目がオレンジ・グロッシュラーなので、さらに納得がいかない。
いったい何のために項目分けしているのだろうか?
本の写真の、スモーキーにオレンジ色のガーネットがくっついたものは中国産に見える。中国産だとしたら、ガーネットはヘッソナイトではなくスペサルティンだとされているので注意。

グロッシュラーの組成式はCa3Al2(SiO4)3
スペサルタイト・ガーネット
マンガンとアルミニウムを主成分とするガーネット。純粋なものはオレンジだが、鉄の割合が増えるに従って赤〜褐色になる。

スペサルティン、スペサタイトとも表記される

化学組成は
Mn3Al2Si3O12
66 オレンジカルサイト
黄色みの強い「みかん色」から赤みが強いオレンジまでいろいろある。
アイシクルカルサイト アイシクル(icicle)とはつららのこと。

Icicle Calciteで検索すると、なるほど半透明白〜オレンジに色づいたつららっぽい形のカルサイトがヒットした。
本の写真はどう見てもつららには見えないのでこちらを参考に。

同時に産地にメキシコを追加

つららと言えば、鍾乳洞にできる鍾乳石の成分はカルサイト。
産地を失念したが、中には透明でまさしく「つらら」のようなカルサイトがある。これこそ、アイシクル・カルサイトだろう。
67 オレンジジェイド
ジェイド(翡翠)には鉱物的に見るとジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)がある。
ただ、この二つ以外にも「○○ジェイド」フォールス・ネームを持つ石は多く、「オレンジジェイド」で検索して出てくる石の多くがジェダイド・ネフライト以外の石であるように思われる。

右の写真は、オレンジ色のジェダイト。
本の写真は
ホワイトジェイドに内包されたオレンジジェイドという写真が出ているが、右の写真の場合はジェダイトの塊の表面部分(翡翠の皮)だといわれた。
オレンジブラウン・セレナイト
オレンジ・スピネル
▲Page Top
掲載頁 項目・記述 ツッコミ&訂正(追加)内容
68 オレンジ・ファントムクォーツ
鉄分などでオレンジ色に見えるファントムを内包した水晶。

「カーネリアンが内包されている」とあるが、この場合のオレンジ部分はカーネリアンではない
カーネリアンとは、微細な石英の粒が沈殿してできたカルセドニーの中で、鉄分によってあかく色づいているもののこと。。
カルセドニーは水晶(石英)よりも温度や圧力が低いところでできる石なので、水晶の中に内包されないし、内包されたとしてもファントムにはならない。

オレンジ・ファントムクォーツ(逆ファントム)
オレンジファントムの反転バージョン。オレンジファントムが透明水晶の中にオレンジのファントムであるのに対し、こちらは透明な水晶の上にオレンジ色に色づいた水晶が結晶し、透明な部分がファントム状に見えているもののこと。外側が色づいているので、なかなかきれいなファントムには見えない。その点では珍しいと言えるかも。
もちろんここで書かれているカーネリアンという言い方は間違い。
69 タンジェリン・クォーツ
鉄分によって、表面がオレンジ色に天然コーティングされている水晶のこと。
(こういう基本的な情報が書かれていないところが不親切だと思う)
ブラジルでは「ラランジャ」「ラランジーニャ」とも呼ばれる。
結晶系が
「六方晶系」になっているが、ローズクォーツと同じ「三方晶系」に統一すべきでは?(くわしくはストロベリークォーツの項目参照)

隣ページ(68頁)のオレンジファントムが三方晶系なのに、タンジェリンはなぜ六方晶系?
オレンジ・ジルコン
▲Page Top

最後に。の本を利用する場合に、石が見つけやすいよう、
さまざまなサイト様にリンクさせていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。


SEO [PR]  ローン比較 再就職支援 バレンタイン 無料レンタルサーバー SEO